視覚障がい者の図書館へのアクセス
2020-01-21 | 作成者 Orcam Staff
本を自分の手に取り1ページずつ読むことには、スマホやパソコンの画面での読書では得られないない楽しみがあります。しかし、こういった風に本を読む人が減ってきているのが現状です。
図書館へのアクセス
技術の発展に合わせて、本を読む人の数は減ってきています。ある統計(英語)によると、アメリカではここ1年で本を読んでいない大人の方が全体の24%を占めている事が判明しました。アメリカには約12万の図書館(英語)があるにも関わらず、図書館に行く人は減っています。図書館もインターネットの無料提供やebook の貸出などを行って図書館に通いやすくなるための努力はしていますが、目の見えない又は見にくい方が図書館を使いやすくするための努力は行われていないのが現状です。
視覚障がい者の実情
アメリカでは、視覚障がい者及び法的に視覚障がい者と認定された40歳
以上の方が340万人(総人口の3%)おり、65歳以上の方のうち17%が「目がみえにくくなっている」と訴えています。2007年には、視力障がい及び視力を損ねる病気を持っている方が2100万人います。1999年のアンケートでは、18歳以上の社会人が患う障がいの中で視覚障がいは9位(脳卒中と糖尿病の間)となっています。アメリカの国立眼科研究所は2020年までに白内障、緑内障、糖尿病性網膜症、あるいは年齢に応じた黄斑変性症といった病気にかかるアメリカ人が約450万人になるという結果を発表しています。
ここで問題になるのが、年齢増えている視覚障がい者の方が図書館に行きやすくするために、図書館が技術をどう活用しているかという課題になります。
読書バリアフリー法が成立
日本においては、2019年6月21日、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)が衆議院本会議において可決され、成立しました。この法律は、視覚障害、発達障害、肢体不自由などの障害によって読書が困難な人々の、読書環境を整備することを目指して作られました。「障害の有無にかかわらず全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現」を目的とし、国や自治体に、視覚障害者等の読書環境を整備する責務を定めています。詳細はこちらをご覧ください。
こうした動きに伴い、日本国内でも障害を持った方でも読書をできる図書館が徐々に増えていくことが期待できます。
図書館の近未来補助機器
拡大鏡や画面読み上げ機は図書館を使いやすくする素晴らしい機器ですが、最先端の技術は今あるものの先をいっています。中でもオーカムマイアイ2は、搭載されたスピーカーを通して本の文字を音声として読み上げる事ができるようになります。これにより、全ての本がオーディオブックに変身してしまい、図書館の本全てが読めるようになります。現在、これを図書館に取り入れている国はいくつかあり、ブラジルのサンパウロでは12の図書館(ポルトガル語)がオーカムマイアイ2を取り入れています。
日本国内では、豊島区立中央図書館ひかり文庫で、試験導入がされています。その他にも視覚障害向けの図書館のリストがコチラから確認ができます。
どうすれば図書館が行きやすくなるのか、またはどこを改善すればいいのか、是非下記にてコメント下さい!
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